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県立病院の耳鼻科で受診しました。約一週間、通院し、二週目から一日おきで三週間で治りました。その時期は、あまり聞こえないのはわかりませんでした。先生は何も言われませんでした。
しかし、少しは話をしてもよい時期となっても、あま旦言葉になりません。声は出しましたが心配になってきました。家族は、「男の子は女の子より遅いから、そのうちに言葉になる」とのこと。待っても待っても、毎日、毎日訓練しても言葉にならないので、私は焦りました。
かかりつけの耳鼻科で受診し、いろいろお話しをお聞きしました。「少しでも聴力が不足であれば、言葉は取り入れることができない」と言われ、「どうすることも困難だ」とのこと。
病院からの帰途は、どのように帰ってきたか。ただ暑い中、田舎道を子供をおんぶしてきたことだけを覚えています。家族に話す勇気もありませんでした。冷静になってから夜やっと話をしました。全員が、「まさか」との言葉が一番先に出ました。
家系にはどこにもいません。家中が困惑してしまい、曾祖母と祖父母は特に動揺しました。しかし、親としてはそんなことばかりしていても進展しません。いろいろ考え相談をしたところ、学校や施設があることがわかりました。
東京の大学へ行っていた弟からの電話で、「新潟の小金町にろう学校がある」とのことで、私どもの気持ちに光が差し込みました。光明の灯りでした。
田舎なので、話題になったり噂されたり毎日毎日が辛い日々でした。しかし、「これからは、この子のために」と立ち上がる決心をしました。多くの人々のお世話で新潟ろう学校の教育相

 

 

 

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